や、まいった。まいらされた。
さっき自転車屋さんに自転車持って行った時のこと。
自転車を持ち込んで状況を伝え、一瞬ブレーキを握ったかと思うと、
「買い替えた方がいいですね」
「え?」
…ここんとこブレーキの利きが甘いと感じてて、市街地を短距離乗ること多いから、スピード出すわけじゃないけど、人を避けるのにストップ&ゴーを繰り返していた。
元々最安自転車を買ったこともあり、メンテさえしておけばと高を括っていて、感覚的にはそんなに乗ってない&調整の範囲だと勝手に。
買ったのは1年ちょっと前。ホームセンターで1万円ちょっとだったと思う。
そのホームセンターはメンテは基本預かりと知ってたから、前に持ってきたこの店へ。以前やっぱりホムセン自転車を持ち込んで診てもらったことがあった。
「ど、どういうことですか」
聞けば、こういうことだった。
ブレーキの利きは悪くない。が遊びが大きくなっているので、早く利くよう調整は可能。ただし音が出るのと、やりすぎるとワイヤーが切れる可能性。本当はワイヤーを交換した方がいい。
さらに。
ペダルのがたつき(本来起きてはいけない)、チェーンの限界(もういつ外れても)、タイヤも前後すり減ってる、ということで全部換えるとおよそ一台分になってしまうはず。
加えて。
「おそらく安く買われたであろうこの自転車ですが、自転車の場合その品質と価格の関係が顕著で、それなりの価格の自転車なら自転車一台各所それなりに、いい部品を使っている。それでメンテをしたり部品を交換したりすれば長持ちできるが、こういう全体的に安い自転車だとどこかだけを換えて良くなる訳ではないから、結果「買い替えた方がいい」ということになるんです」
と。
「要するに、自転車を1年で潰す消耗品と捉えて買うかどうかですね」
いや、ほんとその通り。
これをあの一瞬、全体を見るでもなくブレーキを握った瞬間だけで言い当てられた。
これぞプロ…。
それでも当初の予定通り、ワイヤーの調整を550円でしてもらったのだが、「仕事」ってなんだろうと改めて(特にそこの俺、聞いてるか)。ニーズに応える、プロとしての知識や考えを言う、それでいて強要はしない。それが、「サービスでありクオリティ」なんじゃないか。
ああ。
オレはどんだけ生きたらこの「安物買いの銭失い」でなくなるのか。二つ前の自転車も、走行中に段差のショックで泥除けがぐにゃぐにゃに曲がって走れなくなったホムセン自転車だったじゃないか。しかも、息子が中学に入るときいい自転車を買って、「高すぎるんじゃないの」と言ったのだが、高校に進学した今でもその自転車はまったく丈夫なまま。各部品たちの質が初めから違ったのだ。中高6年使う目的に応えた、正解の買い物だったんだな…
成長せんなあ…とほほ。
(中古バイク歴30年)