今週はじめにやっと台風9号が抜けたと思ったのに、今度はそれこそ数十年に一度（とどれだけ耳にするようになったか）の、この時期には前例のない梅雨末期のような大雨をもたらす秋雨前線が来るという。それも広範囲で、どこで災害が起きてもおかしくない、まさに平成30年7月西日本豪雨並と聞き、背筋が凍った。それが2021年8月10日、火曜日のこと。コロナ禍も拡大し続け、自然の脅威が年々増し、ここは果たして人が幸せに暮らせる土地なのかとまたしても疑問が拭えない事実が増えてしまった。
8月12日、木曜日。
前日から避難の準備を始めた。本当はハザードマップを見ると3m未満の浸水域だから2階への避難が妥当かもしれない。そしていつもは大丈夫という家内の反応が今回に限ってそうではなく、何度かこんな日記を書いているがいつも以上に反応している自分であった。
出社前に朝から病院。血圧が不安そのままに上がっていて先生に聞かれるが雨のせいだと答えても理解されなかった。
薬をもらってそのまま駅に向かう。北口の線路沿いはすでに用水路が溢れていた。もうか？近くで工事をしていたが、あまりに早い冠水に住民はどう思っているのだろう。気温が低いのはありがたいが、この数日（1週間もあるという）を思うと仕事どころじゃない。選択肢もそうない中、自分で守るしかない世界。そして情報の差。何を採用すればいいのか。相変わらずYahoo（強雨）と日本気象協会（強くならない）では大きく異る。
10時出社。こんなときに仕事は忙しく、同時に市から注意喚起。しかし12時、警報は解除された。明日また出るのに、一度切るのか。
16時半。雨は止み、明るくさえなってきた。18時。しかし市からは今晩から大雨、来週まで続くという、まったく無慈悲な通告。それでも日本気象協会はそうでもないと予報。
帰宅途中、持ち出し兼保存食料等買う。
20時時点でこの先の予報を見ると、水曜まで続くという長期戦。一日の降水量は明日がピークで、合間止みながらもこの金土が山のよう。それと火水。この時点ではそれほど強い雨はないものの、こればかりはわからない。
またこの間の降水量を足しても高梁川氾濫の基準、2日で250mmを超えないので額面通りなら持ちこたえるはず、なのだが。
8月13日、金曜日。
6時半、目醒める。今日から夏季休暇。涼しく弱雨。俄然エアコンが要らない。この間までな猛暑が。
8時、ゴミ出し。まだ日常感あり、保育園も通常だ。ここまではさほど降っていない感じ。しかしふと見た朝のテレビニュースで、広島の現状に言葉を失う。大雨特別警報が出され尋常じゃない雨量に震える。九州と中国北部か。日本気象協会では、ここら辺は今日は午前中と夕方に降る予報に。
9時。サーと降り、止む。広島も数時間で悪化したとのことで、こうなるとまたイオンの一択か。祈る。それでも家内はどこか構えていて出社するらしい…。
それにしても街中に巨大な屋根でも作れないものか。高速道路や新幹線を通せるなら出来そうな。そこに各自テントを持ち込むようにして、競技場や球場を活用できないかと思う。
11時、大雨警報。結局。Yahooがもうすぐ豪雨だと知らせる。こんな中宅配や郵便配達はしているのだ。しかし降らなかった。50mm近い予報だったが、弱雨のみ。神はいたのか。
午後もしとしと雨が降ったり止んだり。短期予報は限界のよう。
ちなみに準備したのは数日分の水、食料、他携帯トイレ、マスク、ウエットティッシュ等。避難場所も確定しないので、色々想定できていない。車ごと入るか、屋根付きなら歩けるようにか、一長一短。両立は無理だ。
正直情報からも離れている。一喜一憂のダメージも大きく、そして正確でない。欲しい情報はなく、結局は自己責任。そもそも受入人数と人口は全く釣り合っていないわけだから、それぞれが行き先を決めても現地で混乱するだけじゃないかと思ってしまう。
16時、大雨洪水警報。しかし降っていない。涼しい風、蝉の声。
18時、とうとうそしてまたあの声を聞いた。けたたましく鳴るエリアメールと町内の緊急放送。市内全域山沿いの高齢者に避難指示。やはり一度に緊張が。
この後一度落ち着き、明日また一日降るらしく今日はたまたま雨量が少なくピーク感が薄れたがその影響はあるのか、明日もしっかり降りそう。持つのか。
20時前。ようやく本格的に降りだした。それでも30mm/hはないだろう（そんな豪雨予報だった）。支流がいくつか水位が高いらしい。土砂災害は眼中にないのでその一点。それでも20時には止んでしまった。良かった。とにかく降らない時間が1分でも長くなりますように。
今日はこのまま降らないだろう。明日持ちこたえれば、日曜は一度止むはず。心臓に悪いお盆となった。YouTubeと天極牌と、戸井十月と手塚治虫に救われている。そんな前半2日だった。
〈続く〉
