コシトタニマトマルイスト

やっぱり旅に出たいCW/CD系会社員の、すべて独り言。

【旅日記・最終日】~夢の旅は感謝の果てに

8月13日午前5時過ぎ起きる。阿蘇で聞かれたヒグラシの声もミンミンゼミに。曇り空。やっぱり降水確率は80%。ひたすら東へ逃げろ!

今日の目標はまず帰宅。あとは寄り道程度に…とはいうものの、できれば四国全県を通りたいし、徳島の海沿いや高知の二大岬も行きたい。あとは時間と天候との駆け引きか。

最後の撤収を済ませ、午前7時出発。R197から県道36に入り四国カルスト大野ヶ原)を目指す。我慢している空の下、細くくねった県道を進むがこれが大変だった。半ば後悔気味。やっとの思いで着いたものの、寒さと風と細かい雨でそそくさと引き返す。大野ヶ原自体は開けていて、それまでの雰囲気から一変。喫茶店やら牧場やらがあり、高原感いっぱい。晴れていたらよかったのだが。結局危険を感じるほどの天候で、来た道を戻ることに。

ところが、残念無念と戻る途中ありえない晴れ間が。旅の終わりに挨拶に来たのか、濡れたアフリカや路面、そして木々達をまぶしく太陽が照らす。ああ、こういうのもいいなあ。一度濡れ、心も曇ったからこそ感じるありがたみ。楽しもう!

 


…にしても、あれからずっと晴れている。こんなツーリング初めてだ。奇跡続きのこの旅は、最後の最後までありがたい。特に四国の田舎を走っていると、「ぼくのなつやすみ」的なものを感じる。このふるさと感は貴重だ。安心するし、新鮮にも映る。走って爽快というのとは違うが、何だろう。長旅だからだろうか、ゆとりを感じる光景が続く。ミンミンゼミの声がする中、道の途中休店している商店で止まった。風はやわらかく、暑さも不快に感じない。止まっている時間。四国カルストや霧島はどちらも残念だったが、かえってもっと貴重な風景を味わうことができた。旅の醍醐味。

R197はとても快適だったが、船戸から四万十源流を目指し県道19に折れる。途中久万秋の涌水で水を汲み、ペットボトルに入れて持って帰る。唯一、生きたおみやげだ。県道41に入ると、少し雲が怪しかったが、R56につなぎ須崎へ。やはり国道はだるい。我慢している空。


午後2時、土佐市で休憩。ここまで何とか本降りに会わずに来ているが、ルートを早く決めてしまう必要がでてきた。残念だが、室戸岬はすでに無理。あとはどうやって高松を目指すか、そして徳島の海岸はどうかの2点。ここから迷走がしばらくつづく。

候補1.高知市からR32で高松直行。候補2.高知市からR55に少し入り、引き返して北上。候補3.高速で一気に徳島に行き、海沿いで高松。距離と時間と思いを天秤にかけたものの、一旦高速に乗る。実は高知ICまでが街走りでたいへんだったのだが、南国SAで再び考え「悔いのない終わり方」をしようと、すぐ南国ICで下りた。やはり思い出の詰まった国道をたっぷり走ろう。そう決めてR32に乗り直した。それと南国SAで雨模様となり、同じ雨なら疲労や前後タイヤがT63であることを考え、若干高速は危険と判断。R32だとまともに北上し雨になるのは必至だが、これがまた正解となる。

走る、走る。眠い、眠い。頑張れ、頑張れ。

お?思わぬ収穫も。R32だと、徳島は通らないと思っていたが、大歩危~祖谷を通りラッキー。というのもこれで、山陰と長崎を除く西日本・本土全県走破だ。池田でR192の分岐が来たが、直進。最後の徳島の海沿い行きを断ち切った。

走る、走る。眠い、眠い。頑張れ、頑張れ。
もう少しだ。近づいてるぞ。

香川県に入り、「道の駅たからだの里さいた」で最後の休憩。ついに雨はやんで、晴れ間が!長かった。高知から続いた雨雲を抜けたのだ。レインを脱ぎ、一息。お土産を買い、最後の気合いを入れる。いよいよだ。

 

そして綾川町に入ったときだった。
目の前に大きな虹。それはだんだん大きくなり、ついに全容を現した。しかも虹の始まりから終わりまで一度に見える貴重な虹。それだけではない。なんとそれは、二重の虹だった。これぞ最後の奇跡。赤信号の間に急いでシャッターを切る。ああ、旅に出て良かった。そして最高の旅だったことの証明だ。

高松港周辺は祭りの日で大混雑。いよいよという間際に場違いな雰囲気だったが、何とか乗った。バイクが何台もいる。とうとう最後だ。船中では心の底から休んだ。もう走れない寂しさも、もう暑さや場所探しに苦しまないで済むという安堵感も両方あった。ただ今は早く家に帰りたい。しかし逆に何日も旅をするペースを掴んだ気もする。もっとも今回は雨にほとんど会わなかった分、楽だったとは思うが。

宇野港からは約30分でわが家だ。ただいま。家族と久しぶりに会った。そして風呂へ直行。もう、片づけは後回しだ。ただいま。無事帰れた、ありがとう。わがままな旅をかなえてくれた家族と、出会った友人、全ての方々に感謝。そして、数々の奇跡を与えてくれた神様に、ありがとう!

<本日の走行距離:375km 5日間合計走行距離:1885km>