コシトタニマトマルイスト

やっぱり旅に出たいCW/CD系会社員の、すべて独り言。

【旅日記・初日】~熊本の暑い夜

とうとう来たこの日。
ブランクを差し引いて前々から準備はしていた。2時間ですべての用意ができていた10年前のようには行かないはず。
前日までに仕事はやっつけ、パッキングは済んだ。装備を固めて、いざ「行ってきます」。

8月9日午前8時出発。少々ぼおっとしている。早速最寄の早島ICに乗った。大学時代の友人、マイミクみーたんに会うため目標は午後4時熊本入り。それまでは高速をひた走る。
老体アフリカよ、今日の高速連続走行が最初の難関だ。一緒に頑張ろう。前後T63が少々不安。

めったに乗らない高速を走っていてさえ感じる眠気、そして暑さ。2時間半も走った頃、宮島SAで早くも2度目の休憩。盆前の平日とあってバイクは見ない。

f:id:exmaruisu:20220219144823p:plain

 

昼過ぎ富海PA。結構きついな。まだ250kmほどか。暑い。ものすごい日差しだ。もう何本スポーツドリンクを飲んだろう。全身を汗が流れ、時折吹く風が心地よく感じる。

最初の給油はリッター19.9kmだった。思ったほど伸びてない。いろんな面で予想を上回るタフな旅になりそうだ。

午後4時半熊本ICを下り、長かった高速から解放された。でもこの辺りは雨が降った後の様だ。路面がぬれ、重苦しい雨雲が近くにある。阿蘇も近い。以前はよくこのエリアで雨に降られたものだ。この先の天気に不安がよぎる。

マイミクみーたんに連絡をとる。久しぶりだ。13年になろうか。同じ学部でバイク乗り。それでも実は接点は少なかった。懐かしい熊本弁が九州感を増大させる。
ところが子どもを病院に連れて行かなければならないらしく、すぐに会えそうにないという。市街にある江津湖の公園が野宿場になるのでは、ということで、早速向かう。

…到着。うーむ、正直かなり悩んだ。
好意は好意として非常にありがたいのだが、市街地に近く人気も多い。死角になるようなところを探して歩くが、自分の野宿観からして泣く泣く却下。お風呂も近いし便利そうだったのだが、蒸し暑い中これ以上時間はかけられないし、初日の高速走行の疲労を取ることを優先し、移動することにした。

県道28号線を益城方面へ向かう。ごちゃつく市街地を抜け、「ここから先なら何とかなりそう」といった感の新しいコインランドリー前で休憩。再びみーたんに連絡。これこれこういうわけでと言うと、とりあえずそこに行くから待っててと。ありがたい。決して彼の家から近くはなさそうなここまで、俺なんかのために来てくれるって。子どものことが心配だろうに、同じ親として恐縮。

そして彼は来た、赤いチェロキーで。懐かしい!変わってない!などと昔話もほどほどに、日も暮れかかった現在時刻から逆算して、デッドの近い風呂探しからスタート。地図には載ってなかったが、幸い彼がここ寺迫よりほど近い「益城町・町民憩いの家」というところを知っているというので、直行。うん、新しくて最高だ(300円)。駐車場で寝ることは断られたが、二人で一風呂浴びる。気持ちいい。走ってきた甲斐があった。この汗と埃を流す瞬間。

問題はここからだ。
車で野宿経験のかなりある彼は、知っている限りの近場の候補地に次々に案内してくれる。
しかし… 暗い。裏道抜け道を駆使し、最短ルートで連れて行ってくれるが、光が少なく地面の状態が掴めない。こっちも10年ぶりだし、勘も鈍っている。ここも、またここも。厳しい、眠い、腹も減ってきた。

これで最後と向かった先で、惜しくもタイムアップ。もういいよ、みーたん。ありがとう。もう10時を回っている…
彼もバイクでの野宿はないし、第一これは個人的感覚が大きい。俺が良くても彼が駄目だという場所もあるだろう。今回はその逆だったのだ。感謝の言葉をかけ、別れた。13年ぶりに会って数時間。闇から闇へのドライブは明確な目的と残念な結果、そして素晴らしく貴重な思い出を持って終わった。本当にありがとう! 今度はぜひゆっくり会おう!

さて。
再び彼の地で独りになった。コンビニでビールとおにぎりを3つ買う。しばらく地図を眺め、宇土市の立岡自然公園を目指す。?どこだろう。やばい、気持ちが折れそうだ。この時間、こうしていることが辛くなってくる。そうするうちに、近くの道徳山公園(宇城市松橋町)を発見。しばらく上り坂を進むが、あまりの狭い急勾配にびびり下山。結局上り口の外灯の下に決定。県道から一本入っただけの死角。明るい割りに目立たない。これ以上の探索は危険と判断した。<後で分かったことだが、この両公園ともなかなかきれいで日中なら素晴らしい空間であっただろう>

 

エンジンを切り、荷を解く。訪れる静寂、遠くの明かり。長い一日が走馬灯のように脳裏をよぎる中、最短でテントをたてた。
軽い格好に着替え、テントの中へ。市街に近いので、虫除け処理も。ビールをあけ、おにぎりと別れ際みーたんにもらった辛子レンコンを食らう。ふう。

まあいい。夜が明ければこっちのものだ。折角遠くまで来たのだ、せめてこの状況を楽しもう。旅は思い通りに行かないもの。でも今日を精一杯生きたから、ここで寝られるのだ。蒸し暑く汗の流れる中、眠りについた。

<本日の走行距離:585km>