腰と谷。

CW/CD系会社員。ex.印刷製版系DTP。GS/TB/水産/倉敷。

ひとくぎり

もうどこから書いていいやらわからないほどだが、この4月1日、倉敷美観地区に「語らい座大原本邸」がオープンした。語らい座 大原本邸|OHARA HOUSE KATALYZER

今の倉敷をつくり、日本の近代化に大きく貢献した大原家。国の重要文化財であるその旧邸を一部公開し、地元・歴史・家・人のこれからを考えていくキッカケになれば、という施設。そのミッションは、「大原家の生き方を、現代人の明日へ。」

その語らい座大原本邸に企画段階(2年半前)から参加し、最終的には(というかいつの間にか)CDという立場でミッションから各展示コンセプト、表現、コピー等関わらせていただいた。いやはや長い道程だった。

思い返せば本当に色々あって、K君に声を掛けられたのが最初の最初。それは某イオン○ール岡山と同じ、「代打起用」だった。ミッションの言語化のため、つまりはコピーライターとして。

そして次は「地元なのに」の壁。名前を知っているだけの美術館に入ったことはなく、油絵40年の母親がいながら興味も関心もない。そして元クラ○の父親がいながらその歴史も知らず、それらを一度に向き合うことになってしまった。

知識、いや歴史観・地元観と言ってもいい。その乏しさに打ちのめされ、とにかく資料に当たり話を聞き、少しずつでも自分の感覚に取り込む他なかった。

それでも目的は何だ、その先には何がある、今の時代はどうだ、人はどう生きているのか、倉敷はどうか、、、毎日そんな雲を掴む様な見立てと仮説を繰り返し、歴史や地元に距離を感じる自分自身に重ねようとした。その結果、認識の差を埋めよう、まずここから遠い意識にフォーカスさせよう、説明より直感に訴えよう…となった。

次はどこと組むかだ。広告、それも印刷畑の自分は空間演出など初めてだし、そんなブレーンも知らない。ダメ元で声を掛けたのは以前別のコンペで戦った相手のN社さん。何しろ何もかもがゼロなのに、よく快諾され長期に渡りこの関係を保ってくれたのだと思う。そう、思いつきを形に無理難題を資料に、そしてその圧倒的な実績以上のチャレンジを続けてくれたのだ。

また、たくさんの言葉を書いた。たくさんの展示案を描いた。コピーを評価される一方、それ以上に潰えたし、プロジェクト全員の頭脳の高さ(学歴)に自分の論理性など常に揺らいでいた。

それでも結果的には、ほぼ当初から考えた通りになったと思う。水産〜印刷〜製版と歩いてきた自分が、200年以上の歴史を背負った空間を作るなんて➖。

この2年半を通して理解は多少なりとも深まったし何より倉敷が好きになったと思う。何も知らず縁だけがあった地元のことが。縁といえば、元コンペチターだけでなく、実はご近所だったりローカルサミットで繋がっていたり、何とかつて父親と同じ仕事場にいたりと、最後までご縁に始まりご縁に救われたと思う。


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↑一番いい季節に。

 

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↑入ってすぐの暖簾に館長の言葉。中身も素材も随分検討した…


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↑土間のハイライト、ふりそそぐ言葉。何をするか、何を掲げるか、どこから引くか、それは何故か。調べ、書いて、選んだ。

 

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↑つみあがる必然。代々の歴史を情報ではなく圧倒する存在にしたかった。具現化への道のりたるや。この巨大構造物がここに存在する奇跡。


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↑この家で。二転三転した企画は、最終的には逆転劇を生んだ。音という奥行き、そしてリアリティ。

 

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↑倉の中。初めて通史を年表にしたのではないか。

 
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↑ブックカフェ。すべてはここから始まった。タイトルを見るだけで興味が湧き人が見える選書家という仕事。


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↑思索の間。ここは庭がコンテンツ。孫三郎も見たであろうその景色。

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↑お披露目は盛大に。

 
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思い出、、、本当にありがとうございました。

 

(追伸。お蔭で社長賞など頂き、一度は無くなりかけた自分の立ち位置も「CD/CW」と名刺に加わることになりました)