コシトタニマトマルイスト

やっぱり旅に出たいCW/CD系会社員の、すべて独り言。

いろんなことを考えた

最近よく酒津公園まで歩く。

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バイクに乗れなくても、腰が張っていても、企画が進まなくても、

ここら辺を歩くと不思議と取り戻せる感覚になる。歳だろうか。

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薮に目をやると2匹の子を乗せたショウリョウバッタがいた。

生物に興味を持った子どもの頃。怪獣のような格好良さを感じ、昆虫や水棲生物に夢中になった。

裏山に川にと分け入り、日が暮れて学区を外れ、それでも網を振っていた。

今うちの子に、どうしたらそんなリアリティが伝わるだろう。

理科離れ、自由研究、ネット、ゲーム。使わなかった高校理科の教員免許。

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小学3、4年と近くの社宅に住んでいた。西条(愛媛)から転校してきたあの日は雨だった。

その後同じ学区内に引っ越し、初めて社宅じゃない家に住んだ。中古の家、今の実家。

同じく候補に上がっていた家は、別の家主が住みまだ残っていた。

倉敷を都会に感じた35年前。鉄筋3階建の校舎、当時県下一1600人もいた小学校。

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今日本当は一瞬でもバイクに乗ろうかと思ったのだが、娘の自由研究に付き合うことに。

いやそれ位腰の調子は悪くなかった。

先週小走りに出たものの、夜の集まりでストレッチが余計で早退。1週間の一進一退。

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それでも結局筋肉痛の類なので、張りが逃げれば軽くなる。
姿勢に気をつけて、それこそ骨盤からまっすぐにしていればよい。そして固い床で寝る。
ようやく付き合い方がわかってきた気が。無理させず、正しく休ませ正しく対処する。

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伯備線を渡り青江神社の階段を上がる。

この蒸し暑い中、何人かとすれ違った。酒津公園内と溜池の周辺はもっと人が多いが。

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途中振り返ると倉敷の市街を見下ろす。何だろうこの感覚。

市内でもここから15kmほど離れた玉島で生まれ、その後愛媛や鹿児島で暮らし、常に薄かった地元感。

今、こうして落ち着いて歩いている。

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賽銭を入れお参りをし境内を抜ける。研究所の坂に出た。

この坂は中学の陸上部時代、よく走りに来た場所。しんどい思い出が蘇る。

そう、生物の他には走ること。小学校までは自分より速い人を知らなかった。

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長い長い棘がある植物。こういうものも格好いいものだった。

武器にしたのか、棘だけ集めたか。

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視線を落としたこんな風景こそ、あの頃の自分そのもの。

何か落ちてないか、生き物がいないか、常に探していた。

そして必ず、何かがあった。

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老舗の醤油工場を抜ける。街に溶け込み、道が通っている。

あまくからい匂い、見学者募集の貼り紙。

大型商業施設が正に通学路を消してしまうように出来てからは、街の風景が変わってしまった。

でもこの辺りは何も変わっていない。一切。

夕方友達の家から帰る景色、ボールをぶつけられたあの日、壁の高さ、用水路の魚。

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溜池に戻って来た。夕日と2羽。

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酒津といえば公園と用水路。画になる。

が、この歳になり思い出したくないこともいくつかある。

それも全部人生だろうなんて、何を今更。

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そうしてふと見上げるこの空もだ。何も変わらない。

毎週土曜日集団下校の輪を外れ、一目散に公園の場所取りに走った。

ソフトボールの練習は、いつもH地区と競走だった。足の速かった自分はこの2km強を取りに行く役。

今日はその公園の中を通らないで行こう。

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八幡神社。変わらない。

ここもなぜか安らぎを感じる、大きくはないが綺麗な杜。

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そして。

ここが例の社宅の跡。たった2年の鮮烈な時間。社宅という独特で強固なもの。

長くはいない皆が他所者、それでいてすべてはここであり温かった。

電子ゲーム、パソコン、ソフトボール、地区別リレー、剣道。

当時の風景は、変わり果てた今でも重ねられる。

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この辺だろうか、当時住んだ家。生垣か木の塀で囲われていたはず。

車庫があり、わが家の最初の自家用車だった。マイナーなシビックのセダン。

いろんなことがあり、いろんな始まりだった。

当時の近所の子たちは今何してるだろう。学年が違っても同じ会社の中、皆で遊んだ仲。

出会いまた別れるんだけど、持ち家に住むともうあんな関係はなくどこか寂しかった。

 

…そんなことを思い出しながら歩いた。

そう。社宅、引越し、転校、研究所、社宅、大型商業施設、そして今進行中の仕事。

すべて繋がっている、そんなことをようやく思い起こし受け入れ、だからこそと考えられるように、

ようやくなったのだと、歩いてるうちに。

 

そんな場所、酒津。